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コラム

“あいつは採用ミス”とレッテルを貼る上司こそ、おかしいのだ吉田典史の時事日想(4/4 ページ)

「あいつは“採用ミス”だった」という上司がいるが、本当に採用された人に問題があるのだろうか。ひょっとして、採用する側に問題があるのかもしれない。そこで雇用問題などに詳しい、2人の専門家に話を聞いた。

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 一方で、解雇に異議を唱える人が増える以上、争いの調停機関の体制を整えることが求められる。今のように、労働基準監督署の監督官の人数が足りないようでは話にならない。2009年11月、都内の三田監督署を取材したが、監督官はオーバーワークのようだった。そのほかにも、全国都道府県の労政事務所、労働局の体制も整え、権限強化をすることが肝要である。

 会社の賃金や衣食住などの施策は、このような社会全体の変化の中で整えていくことが妥当だと私は考える。ただし、誤解がないように言っておきたい。中村氏が指摘しているように、中小企業の中には社員へのライフプランへの関心がうとい会社もある。これらが、いまのままでいいということではない。これらの経営者は、「国や社会のあり方が悪い」と言ってもらっては困る。

 私がかつて取材した一部の経営者は、自らの衣食住は整えるが、社員のそれには無関心だった。あれでは、会社の低空飛行は続くに違いない。そこに同情の余地はない。

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