コラム
トヨタの“ブレーキ問題”が、ここまで拡大したワケ:相場英雄の時事日想(3/3 ページ)
プリウスの“ブレーキ問題”などで揺れているトヨタ。ネガティブなニュースがメディアをにぎわせているが、なぜこの問題はここまで拡大したのだろうか。一番の原因はトヨタの広報対応のつたなさにあったのかもしれない。
自作『フラグマン』の『事故の現場』、顛末に触れよう。
レンジ爆発事故多発により、ユーザーの批判の矢面に立たされた街の気の良い電気店店主。彼の苦境を見かねた主人公は、オリジナル電気本社に乗り込み、広報室長と社長と対峙(たいじ)する。社長会見の台本をちらっと見た主人公は、即座に零点と書き込み、大企業幹部にこう迫る。誰に対して謝罪しようとしていたのか? テレビ、新聞?」――。あっけにとられた広報室長に対して主人公はさらに畳み掛ける。「(レンジ爆発で)実際にケガや火傷を負ったのはお客さん。謝罪は小手先じゃない。謝るべき人に真っ先に謝らない謝罪は、謝罪なんかじゃない」――。
もちろん、現実と漫画は違う。しかし、「謝る」という行為自体に境目はない。今後、トヨタの消費者やユーザーに対する姿勢を注視し続ける必要があると筆者は考える。
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