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前年比12.5%増、平成最多の72件――2009年出版業界の倒産状況
東京商工リサーチは3月9日、出版業界の倒産状況を発表した。それによると、2009年の倒産件数は前年比12.5%増の72社となり、平成に入ってから過去最悪の数字となった。
東京商工リサーチは3月9日、出版業界の倒産状況を発表した。それによると、2009年(1〜12月)の倒産件数は前年比12.5%増の72社となり、平成に入ってから過去最悪の数字となった。ここ数年の推移を見てみると、2006年61件、2007年66件、2008年64件と、高水準の状況が続いている。負債総額は同29.1%増の252億3100万円となり、1992年(240億9600万円)以来17年ぶりに200億円を上回った。
従業員数別で見てみると、5人未満が前年比27.7%増の46件で最も多かった。出版業は、従業員数5人未満の小規模企業や個人事業者が多い業界だが、20人以上300人未満が同40.0%増の14件と増加が目立った。
こうした結果を受け、東京商工リサーチは「出版業界を取り巻く経営環境は、携帯電話やインターネットなど読書に代わる娯楽メディアの普及や、ネット広告への移行による広告収入の減少から年々厳しさを増している。さらに雇用環境の悪化から個人消費が節約志向に傾き、ますます先行きが不透明なことから今後の動向が懸念される」という。
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