コラム
いまニホン経済に必要なのは、アクセルかブレーキか:藤田正美の時事日想(2/2 ページ)
「いまだに日本経済がどっちに進んでいるのか、よく分からない」と感じている人も多いのでは。“コンクリートから人へ”という民主党の政策に対し、国民は期待していたはずなのに、なぜ思い切って実行しないのだろうか。
市場に背を向けてはいけない
どこか日本と似たような話ではないだろうか。もともと日本も21世紀の初めのころは円安による輸出バブルで成長を維持してきた。そして金融危機が発生するとすぐに輸出が大変調をきたし、その結果、生産が落ち込んだのである。そして国内消費も落ち込み、生産と消費のいわゆる需給ギャップが、GDPの7%にも達している。
民主党政権が、市場に背を向けるのか、それとも市場に向き合いつつバランスを取ろうとするのか。それによって日本の将来像は大きく変わってしまうかもしれない。
市場は、時には暴走することもあるが、経済にブレーキをかけることもある。リスクの大きさを常に判断するからである。そのブレーキが効かなくなったら、どれだけ危険なのかは、米市場でのトヨタのリコール問題を見ても分かるだろう(関連記事)。クルマもそうだが、経済でもやはりブレーキの方が優先されるシステムが必要だと思う。そのために市場に背を向けてはならないのである。
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