日本経済新聞電子版はどんな人が読むの?:誠 Weekly Access Top10(2010年3月13日〜3月19日)
3月23日にスタートした日本経済新聞電子版。どんな人が読むのか、前身である「NIKKEI NET」の読者層から考えてみた。
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先週最も読まれた記事は「8割の男が餌食に! 下着メーカー『トリンプ』のスゲー罠!」。2位は「もう限界かもしれない……“ブラック企業リスト”の実態」、3位は「就職活動に有利だと思うアルバイトはナニ?」だった。
日本経済新聞電子版のターゲットは?
いろいろあった先週のランキングだが、筆者が気になっているのは3月23日に始まった日本経済新聞電子版(Web刊)。日本の大メディアで初めて本格的に課金モデルに挑むということで、同じメディア業界に身を置く人間として注目しているのだ。
ネット上での展開ということで、紙の日本経済新聞とはちょっと違う読者層が予想されるWeb刊。どんな人が購読するのだろうか。当初は前身の「NIKKEI NET」読者層がWeb刊の購読者候補となるはずなので、そのデータを参考にして考えてみることにした。
2008年NIKKEI NETユーザー調査によると、性別は男性87.7%、女性12.3%と男性が圧倒的に多い。ビジネスシーンはまだ男性中心という表れなのだろうが、紙の日本経済新聞の読者調査では男性68.1%、女性31.9%となので、Webでは男性利用者の比率が高くなる傾向にあるようだ。
NIKKEI NETユーザーの年代は、20代以下7.7%、30代17.9%、40代27.1%、50代26.0%、60代以上21.4%と40代以上が4分の3を占めており、平均年齢は49.1歳。それに対して、紙の日本経済新聞読者の年代は20代以下14.8%、30代25.2%、40代22.9%、50代23.0%、60代14.1%で、40代以上は60.0%。両調査の統計の取り方が若干違うので一概には言えないのだが、筆者としては40代以上の比率が紙よりWebの方が高いのが意外だった。
そして、NIKKEI NETユーザーの平均世帯年収は839万6000円。紙の日本経済新聞読者の947万4000円よりは低いのだが、朝日新聞読者の817万4000円や読売新聞読者の747万8000円は大きく上回っている。
ネットではWeb刊について否定的な意見が多く見られるのだが、そういった意見を出しているのは20〜30代の若年層が多いように感じる(筆者の観測範囲に20〜30代が多いだけかもしれないが)。だが、実際の読者は40代以上がほとんどなので、あまり否定的な意見を鵜呑みにしてはいけないかなとも筆者は考えている。世帯年収も比較的高いようなので、多少購読料が高くても大きなハードルにはならないだろう。4月末まで無料ということもあって、筆者周辺でもとりあえず登録している人は結構いるので、意外とうまくいくのではないかとも思っている。
Web刊では右クリックが効かないのでコピペで引用しにくかったり(Ctrl+Cは効く)、ニュースソースにリンクを張らないのはメディアとして不誠実ではないかと不満を感じたりもする。とはいえ、会社としては日本経済新聞社はライバルではあるものの、ライターである筆者一個人としてはWebで有用な情報を提供することで対価を得ることに成功する企業が出るのならうれしいところ。1年後、Web刊がどのようになっているか楽しみにしたい。
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