コラム
有権者から“しっぺ返し”をくらうのは、民主党だけなのか:藤田正美の時事日想(2/2 ページ)
与謝野馨元財務相が自民党を離党し、新党を結成する動きが強まっている。こうした動きに対し、谷垣禎一総裁は「団結」を訴えるものの、自民党をどう再生しようとしているのかが全く見えない。もはやというべきか、やっというべきか、自民党の瓦解が始まろうとしているのかもしれない。
民主党は、どんな国を目指しているのか
いま日本の政治に必要なのは、政党の離合集散を繰り返すことではない。どんな国を目指すのかというビジョンを打ち立てることである。今の日本は危機的な状況にある。少子高齢化が進み、人口が減り、年金や医療・介護を支える現役世代は、大きすぎる負担に悲鳴をあげそうだ。そして国の借金はGDP(国内総生産)の2倍に近づいている。
この状況を解決するには、海外から資金を導入する(輸出、対日投資、観光収入など)ことが必要である。もちろんカネだけではなく、ヒトも増やせればいちばんいいかもしれない。単なる出稼ぎではなく、移民(つまりは日本国籍も与える)だ。移民を増やせば、日本の社会保障制度を支えてくれる現役世代が増えることになる。
もし移民という選択肢が日本社会に受け入れられないと政治家が考えているのなら、どのようにしてサステイナブルな社会を構築するのかというシミュレーションを示す必要がある。それができないような日本の政治に、国民はウンザリしている。有権者から手痛いしっぺ返しを食らうのは民主党だけではない。
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