インタビュー
報道とは何か? 事件と震災の取材で分かったこと――NHK解説委員・鎌田靖:35.8歳の時間・『追跡! AtoZ』キャスター(6/6 ページ)
2009年にスタートしたNHKの報道番組『追跡! AtoZ』でキャスターを務める鎌田靖氏。これまでリクルート事件や共和汚職事件、阪神・淡路大震災を取材してきた鎌田氏が、半世紀の人生を振り返った。
テレビは自己表現の手段
僕にとってテレビは自己表現の手段。自分の思いなどを表現するのに、一番向いているメディアかもしれません。テレビというメディアが小さいころから好きで、いまでは生きがいでもあります。また番組の放送(収録のときもあり)が終わったときには、達成感を感じますね。番組は土曜日ですが、終わったあとの打ち上げが唯一の楽しみ(笑)。なので放送がある土曜日の晩だけが、安心できるひとときなんですよ。
僕ができることといえば、ちっぽけなものかもしれません。ただ、この国をよりよくしていくためにできるだけ多くのことを伝えていきたいですね。まだまだ社会には貢献できていないと思いますが、今後はよりよい社会のために何らかの役割は果たさなければならない、とも思っています。
――『NHKスペシャル ワーキングプア』でキャスターを務めた鎌田はワーキングプアという言葉を定着させ、さまざまな賞を受賞した。現場に足を運び「働いても働いても豊かになれない」人の叫びを伝えていったが、現在担当している『追跡! AtoZ』では、今後どのようなテーマに取り組んでいくのだろうか。(本文:敬称略)
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