明日の相場雑感
米国株は堅調、しかも引け後に発表されたインテルの決算が好調と発表されたのですが、上値の重い展開となりました。外国人も買い越しと伝えられ、戻りを試す展開となるのかと思われましたがさすがに半導体関連銘柄は高いものの持高調整の売りに押されるものも多く、上値が限定されて指数も一時手仕舞い売りに押されて軟調となるなど冴えない展開となりました。過熱感が強いことや市場参加者が相変わらず増えず、持高調整などの目先的な需給要因に左右される動きとなりました。
好材料よりも目先の需給に振らされる展開となりました。指数に影響の大きなねがさ半導体関連銘柄などが相場を牽引する動きで指数も戻りを試すかと思われましたが一時軟調となる場面が見られるなど、上値の重い冴えない展開となりました。3月からの上昇の調整が続いているということなのでしょうが、物色一巡感もあり、市場参加者も増えないなかでは、好材料が相場を牽引するというよりはこれまでの上昇の反動で持高調整の売り買い、需給要因だけで相場が動かされてしまうということでしょう。
中国の人民元切り上げの問題なども燻っており、「金融緩和の出口戦略」とセットで取り沙汰されており、いったん持ち高を減らす、円キャリー取引の持ち高を解消するという動きもあるのかもしれません。物色対象も一巡し、本来の相場であれば、業績上振れが期待されるハイテク銘柄、特に半導体関連銘柄などを再度物色する動きとなってもいいのでしょうが、「循環物色」の二巡目三巡目は回ってこないということなのかもしれません。
1月高値水準が一つの目処となっており、出遅れ感が強かった銘柄まで1月高値をクリアした後は次の展開にならざらるを得ず、次を見るにははっきりと業績の回復を確認したいということなのでしょう。米国企業の決算が良いので、少なくとも悪くはないというところまでは分かるのですが、どこまで織り込んでいいのかどうかが、「1月高値水準」として認識され、それ以上の材料がなければ底堅さは確認されても上値は重いということになるのかもしれません。
清水洋介氏のプロフィール
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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