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どうなる? 日本人とメディアの関係夏野剛VS. 小林弘人が語る(3/3 ページ)

米国人や英国人と違って、日本人はメディアとどのように関わっているのだろうか。景気悪化などの影響を受け、もがき苦しんでいるメディアが多い中、夏野剛氏と小林弘人氏が日本のメディア事情について語り合った。

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夏野 「ネットが出てきて何が変わったか、ということを理解していない経営者が多い。例えば出版社の最も大きな価値は良い作家を発掘し、その人をプロデュースすること。これまでは紙の本を売っていたが、それにこだわらなくてもいいのではないだろうか。良い作家がいて、良い編集者がいればいいだけで、紙にこだわる必要はない。紙で行ってきたことは、ネットでもできるはず。しかしネットと出版の世界は産業構造が違う、ということを経営者が認識していないのではないだろうか。

 本を出版して、著作者に入る印税は10%以下。残りの9割のうち、書店が20%、取次が30%ほど。つまり本の価格の半分は流通に関係する人たちが取っているのだ。それをネットに移行すれば流通がいらなくなるので、まず本の価格は半額にすべき。また紙の本の場合は紙代や印刷代がかかるが、ネットだとそのお金はいらない。

 このように考えると、ネットだと半額以下で売ることができる。しかし出版社はネット上で安く売らない。その理由として『本屋に申し訳ないから』と答える人が多い。本屋を守るために本の価格を下げないのであれば、“ネット上で読もう”という人は増えないだろう。新しいツールが出てくれば、それに合わした価格にしなければいけない。つまり産業構造が転換しているので、それに合わせた経営構造に変えなければいけないのだ」

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