ニュース
2帖の部屋に住むしかない……無料低額宿泊所の実態:貧困ビジネスの現実(3/3 ページ)
無料低額宿泊所という施設をご存じだろうか。ホームレスなど住むところがない人たちに、低額で部屋と食事を提供する施設だ。しかし“壁の中”ではさまざまな問題が起きており、その実態をNPO法人「ほっとポット」の藤田孝典代表理事が語った。
ケースワーカーが怠慢
無料低額宿泊所を管理している人に「お前はもうここにいなくてもいい」と言われたら、どのようにすればいいのだろうか。また施設の規則に反することをすれば、入居者は再びホームレスの世界に戻らなくてはいけないかもしれない。なので施設の管理者に、なかなか苦情がいえない実態がある。
また無料低額宿泊所を利用している人の多くは、生活保護を受けている。ということは施設に宿泊している人たちにケースワーカーがかかわっているはずだが、彼らから施設の問題点などを聞くことは少ない。これはケースワーカーの怠慢といってもいいだろう。ケースワーカーは無料低額宿泊所の改善指導と転居指導をきちんと行うべきだと思う。
悪い無料低額宿泊所がある一方で、一部で良い施設もある。今後は良い施設を拡大していくことが必要なのではないだろうか。良い施設には補助金を出したり、財政面での支援を考えてもいいかもしれない。一方で悪い施設には重い罰則を与えることで、社会から淘汰していくことも必要だろう。
関連記事
- 貧困ビジネスとは何か? 低所得者を喰う者たち(前編)
貧困ビジネスというのをご存じだろうか。これは湯浅誠氏が考えた“造語”で、「低所得者をターゲットにし、貧困を固定化する役割を果たすビジネス」を指す。その代表的なものとしてヤミ金などが挙げられるが、中でも湯浅氏は「住宅」に着目している。その理由は……。 - 『闇金ウシジマくん』の関係者が語る、“優しい闇金”の真相(前編)
“優しい闇金融”と呼ばれる違法ビジネスを営む輩が、水面下でうごめいているのをご存じだろうか。その実態はベールに包まれていたが、ノンフィクションライターの窪田順生氏が彼らの実態を明らかにした。 - もう限界かもしれない……“ブラック企業リスト”の実態
就職活動で苦しむ大学生らの間で「ブラック企業リスト」が話題になっている。人事担当者の言葉からは見えてこない企業の内幕をネット上に暴露したものだが、果たしてその中身は本当なのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.