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連休中の海外株安、信用収縮の動きを受けて大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

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明日の相場雑感

 先週の「連休の谷間」は米国株高を受けて大幅高でしたが、本日は連休中の米国株の下落幅に合わせるように大幅安となりました。節目と見られる10800円〜900円水準では下げ止まらず、3月の急騰局面で「窓」を空けた水準まで一気に下落となりました。決算発表が続々と行なわれている中で、好調な業績を示すものの中には堅調なものも見られるのですが、いったん好業績に反応したような銘柄は改めて買われることもなく、手仕舞い売りに押されるものが目立ちました。

 海外情勢に振り回される展開が続いています。欧州での金融不安がきっかけですが、ようやくバブル気味な動きも含めて世界的な資金の回転が効いてきたところで、「出口戦略」でもないのですが、様々な形での「バブル予防」「バブル退治」の動きがリスク許容度を急低下させ、一気にリスク資産の手仕舞いに出たものと思います。ただ、ギリシャに対する債務が不良債権となり、その分資金の拘束が起きたとしても、世界的な景気回復が認められる中での資金の流れはまだまだ潤沢なのではないかと思われます。

 リスクに対して敏感になるのは良いのですが、「買われ過ぎ」の次は「適正」と言うことではなく「売られ過ぎ」と言うことになってしまうようです。売り急ぐ必要のないところでもちょっとてもリスクがあると先行きに対する懸念が強く、売り急ぐことになってしまうようです。いわゆる売るから下がり、下がるから売るということなのでしょう。この連休も高速道路ではあちこちで渋滞が起こり、格安衣料品店が開店すると言っては行列ができ、おいしいパン屋と評判になれば、これもまた行列が出来るというように、動いた方に動く、皆と同じことをしていると安心感があるということも相場が一方向に動きその後は動きがなくなってしまう要因ではないかと思います。

 同じものを同じ値段で売っていても、行列をしていないところは常に行列がなく、行列しているところは常に行列ができているということでもわかるように株が下がる時に買うよりは「もっと下がる」と思って売り急ぐ向きが多いということなのです。ただ、「人の行く裏に道あり花の山」と言われるように、いつまでも行列が出来ているということでもないでしょうし、行列に並んだからと言って必ずしもその人にとって好みのもの、おいしいものにありつくということでもないのではないかと思います。大きな流れを見誤ることなく、その大きな流れに乗っていれば、人には「大暴落」と見えるところでも「買い場」と言うことなのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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