検索
コラム

世界最大級の建設機械メッセ「BAUMA2010」に行ってきた松田雅央の時事日想(3/4 ページ)

4月下旬にドイツの新ミュンヘンメッセで開催された建設機械メッセ「BAUMA2010」。世界不況やギリシャの財政破たんなど建設機械業界を取り巻く状況は厳しい中、どのような企業が出展していたのだろうか。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

 同社が手掛ける最大のプロジェクトは、ヨーロッパアルプスを南北に57キロメートル貫くゴットハートトンネル(鉄道用)である。鉄道にしろ道路にしろ、アルプスはその地形から幹線を建設するには特別の技術と多額の資金を必要とする。そして新規に建設しようとすれば選択肢はトンネルに限られ、条件として「より深く・より長く」が求められることになる。ゴットハートトンネルは3000メートル級の山脈の地中を通るため、所によっては地下2000メートルでの工事となり、間違いなく世界最大級の難工事だ。「高度な技術が求められるだけでなく、資材の輸送、土砂の処理、短い工期など、当社にとっても最大の挑戦です」

 同社にとっては創業者ヘレンクネヒト社長が会社を立ち上げた時代がドイツの経済成長に重なったことや、輸出に力を入れる経営戦略が幸いした。同社は資源探査・採掘用の掘削も手掛けており、世界的に資源開発が活発な近年の潮流にも乗っているようだ。勇気を持った積極的な事業展開が同社の成長を支えている。

アルプスで稼働中のシールドマシン(直径9.6メートル)の模型(左)、広報部長クーン氏(右)

アルプス・ゴットハートトンネルで稼働するシールドマシン(直径9.6メートル、出典:HERRENKNECHT AG)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る