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コラム

ダラダラ全文記事なんていらない――Webメディアの死角相場英雄の時事日想(2/2 ページ)

徐々に開放され始めた記者会見に、フリージャーナリストやWebメディアが参入し始めている。ただ会見のすべてをダラダラと書いているだけ、または延々と会見を中継する手法には疑問を感じるのだ。

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編集作業は必須

 閑話休題。

 通信社記者として特殊なキャリアを持つ筆者が現状の“会見全中継”や“会見全文”などの記事に接すると、どうしても先の国会テレビ担当の苦痛が鮮明によみがえってしまう。

 つまり、通常であれば担当記者なりデスクなりが“ボツ”とするような内容までがダラダラと流れているからに他ならない。

 閉鎖的な記者クラブの開放を勝ち取ったフリージャーナリストや新興のWebメディアをくさすつもりは一切ない。今まで一般に知られていなかった会見の様子を広範な層の読者に対し、詳細に伝えることには意義があると筆者も考える。

 ただ、そろそろ「なにがニュースなのか」を検討し、読者に提供する「編集」の作業が必要だと筆者は考えるのだ。

 筆者が見るところ、ニュース判断という編集作業を経た記事や動画を提供しているフリーのジャーナリストやメディアはごくごく一部。あとは、閉鎖的な記者クラブの扉をこじ開け、会見に出ること自体が目的化した内容のダラダラ原稿や動画が大半だ。

 全文記事や全中継が支持を集め、商売になると考えていれば、既存の新聞やテレビがとっくにビジネスにしていたはずだろう。記者クラブの開放問題はあと1〜2年の間に解決するはず。その後は、読者の興味をいかに引きつける原稿や映像を提供できるかが、新興Webメディアの生き残りのカギを握ることになりそうだ。

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