コラム
異議申し立てをしてもイイのか? 1つ上の上司に:吉田典史の時事日想(3/3 ページ)
「直属の上司が無能だから、1つ上の上司に相談しようかな」と思ったことがある人もいるだろう。しかしこうした行為は組織的に許されるのだろうか。ある編集者の事例を基に、考えてみたい。
コンサルティング会社を経営するCの言い分は、「無能な上司と闘え」という意味なのだろう。私はその後、このCに何度か会い、いくつかの質問をした。
- 上司は本当に無能と言えるのかどうか。その具体的な事実はあるのかどうか。
- その部下は本当に飛び越えるだけの資格や実績、さらに上を説得できるだけの材料を持ち合わせているのかどうか。
- 上司との闘い方を心得ているのか。
- 周囲への配慮はできているのかどうか。一緒に仕事をする周囲の人にも言い分はある。
このコンサルタントCは「競争社会になった」とか「グローバル化」などと語ったものの、明確な回答はなかった。
彼は大企業にかつて勤務しているときに、上司とぶつかり、追い出された。そのときの同僚に聞くと、「皆から総スカン」だったという。その後、コンサルティング会社に移り、活躍する。だが、そこでも経営陣と衝突。いまは、零細会社の社長だ。
聞くところによると、最近、某出版社の役員とも摩擦を起こしたらしい。周囲の人と良好な関係を作ることができない不満から、「闘え!」とけしかけているのではないかと、私は思った。こういう人に、若い会社員が感化されなければいいのだが……。
冒頭で述べた30代前半の編集者は、7月から社員数15人ほどの出版社で仕事をしている。今回の経験をどのように受けとめて、仕事をしていくのだろうか。
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