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コラム

“前打ち記事”は必要なのか 独りよがりのスクープ相場英雄の時事日想(3/3 ページ)

新聞などで「◯○国際会議、主要議題の全容判明」といった見出しが並ぶことが多いが、国際会議などの裏側ではどのような取材が行われているのだろうか。今回の時事日想では、いわゆる“前打ち記事”について紹介する。

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 “共同声明原案”は、G7が終わればほぼ毎回リリースされる文書であり、発表されるまでのほんの数日、あるいは数時間しかニュースとしての価値を持たない。

 いち早く読者や視聴者に知らせるのがマスコミの使命であることは間違いないが、先の項目で触れたように、共同声明に至るまでの間、どんな激論が交わされ、最終的に発表された声明と齟齬がないかをチェックするのが記者の仕事なのだ。

 G7だけでなく、この種の国際会議、あるいは政府の諮問会議などの場では、必ず事務方や関係者が事前に意見を交わす過程が存在する。派手な見出しの「全容判明」記事ばかりでなく、事前に報じられる細かな過程、あるいは利害関係者同士の発言などをチェックすることで、読者は各メディアの取材力の巧拙を見抜くことができるはずだ。

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