淘汰されないために! ”Must”と”Nice to have”の違い:ちきりんの“社会派”で行こう!(3/3 ページ)
世の中には“なくてはならないもの”(Must商品)と“あるとうれしいもの”(Nice to have商品)がある。厳しい時代を生き残るためには、商品のみならず、人も企業も、誰かにとっての“Must”になる必要があることを、2年前に起こったこんにゃくゼリー製造中止問題から解説する。
なくてはならない存在になるために
さて、この“Must商品”と“Nice to have商品”の区別は、商品やサービスに関してだけではなく、人や企業にも適用される場合があります。大きな事故を起こした企業や多額の債務超過に陥った企業が、解散や廃業に追い込まれるか、再建を目指すことになるかは、社会がその企業を「なくてはならない存在」と思うか、そうでないかにかかっています。
もちろんこれも人によって見方が異なるので、ある人は「こんな企業はいらない」と思うでしょうし、ほかの人は何かの目的のために(例えば、公共性の維持や雇用維持、景気対策などのために)その企業の存在を“Must”だと感じるかもしれません。いずれにせよ、その企業の命運は、誰かがその必要性を主張できるかどうか、社会がそれを認めるかどうか、に大きく左右されるのです。
人も同じでしょう。リストラを怖れるなら、大事なことはリストラされるリスクを最小化することではなく、自分の存在意義を高めることです。代替の効かない、「なくてはならないもの」になること。そうしなければ、ちょっと不況がやってくると、もしくはちょっとヒステリックなマスコミや大衆に目を付けられると、一気に抹殺されてしまう。「いらないよ」と言われてしまう。
心して生きましょう。
そんじゃーね。
著者プロフィール:ちきりん
関西出身。バブル最盛期に金融機関で働く。その後、米国の大学院への留学を経て現在は外資系企業に勤務。崩壊前のソビエト連邦などを含め、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。Twitter:@InsideCHIKIRIN。
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