日本とチュニジアの両政府は7月23日、チュニジアで太陽熱発電の共同プロジェクトを実施することで合意し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とチュニジアの開発・国際協力省、産業技術省、STEGER(Tunisian Electricity and Gas Utility Energy Renewable)との間で共同プロジェクトの実施に関する同意書(LOI)を締結したと発表した。
同プロジェクトは、チュニジア政府が進めている再生可能エネルギー導入計画「チュニジアソーラープラン」の一環として実施するもの。フィージビリティスタディ(実現可能性調査)を開始するタワー式集光型太陽熱発電とガスコンバインドサイクル発電を組み合わせた複合型発電設備は、同プロジェクトが世界で初めての試みとなる。
太陽熱発電は、太陽の熱エネルギーを集めて熱媒体を加熱し、蒸気でタービン発電機を駆動して発電する方式。上下に湾曲した反射鏡を多数並べ、焦点部分に敷設したパイプに熱媒体を通して集熱するトラフ式と、タワーの上部に設けた集熱装置に焦点が合うように向きや角度を調整した平面反射鏡を地面に多数並べるタワー式の2通りがあり、トラフ式よりも集熱効率が高いタワー式は、単独型発電設備が現在実証試験段階にある。
このほどLOIが締結された共同プロジェクトでフィージビリティスタディが行われるのはタワー式集光型太陽熱発電と、ガスタービンと排ガスボイラーから回収した熱を利用する蒸気タービンの2つのタービンで発電するガスコンバインドサイクル発電を組み合わせたもので、天候や昼夜の別なく発電できるのが特徴。
NEDOはフィージビリティスタディの参加企業を近日中に公募する予定。
関連記事
- 太陽光発電と新エネ技術が一堂に結集――PVJapan 2010
太陽光発電の総合イベント「PVJapan 2010」が6月30日から7月2日までの3日間、横浜のパシフィコ横浜で開催されている。同時開催の「第5回 新エネルギー世界展示会」とともに、展示会場の模様をレポートする。 - ドイツで、ソーラーエネルギーが見直されている理由
現在ドイツでは、ソーラーエネルギー政策の見直しが行なわれている。今回の時事日想は、環境相Dr.ロットゲンの寄稿からドイツにおけるソーラー発電政策の最新動向を紹介する。 - 次世代のターゲットは“地熱”――ドイツの再生可能エネルギー開発
ドイツで進められている再生可能エネルギーの利用。近年、特に注目されているのは“地熱”。ドイツ政府による再生可能エネルギー研究補助金の分野別割合も年々増加しているのだ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.