コラム
菅さんの悪い癖、“小沢総理”の不安:藤田正美の時事日想(3/3 ページ)
民主党代表選が盛り上がりを見せている。2人の話を聞いていて、小沢さんの方が「力がありそう」といった感想を持った人も少なくあるまい。しかし小沢さんの話に内容があるのではなく、菅さんの話に具体性が欠けているのではないだろうか。
本来、菅首相に実力があれば問題は少ないのだが、どうも菅さんは周囲を蹴落として自分が浮かび上がるタイプのように見える。それは小沢さんとの論争でもたびたび顔を出す。しかし一国の首相ともなれば、相手を批判することばかりに長けていても仕方がない。菅さんのビジョンとはいったい何か、そこにどうやって至るのか。それを国民に説明することが急務なのである。
菅さんが勝っても、小沢さんが勝っても、日本の政治は安定しなければ……と知日派の米国人が新聞のインタビューに答えていた。確かにその通りだと思う。しかし有権者にとっては他に何のオプションもない。政治が変わることを期待した有権者はあと何カ月辛抱できるのだろうか。
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