やっぱりカネをもらっていた? 反論なしの大物記者たち:相場英雄の時事日想(2/2 ページ)
Business Media 誠で掲載した、相場英雄氏、上杉隆氏、窪田順生氏による鼎談連載。官房機密費問題やメディア業界の問題点などを語り合っていただいたが、筆者の相場氏はこの鼎談を終え、どのようなことを感じたのだろうか。
企業存続のリスクに発展も
「アイツを黙らせろ」――。
鼎談記事が掲載され、複数の元同僚から「古巣の幹部が怒っている」という話を聞かされた。筆者が個人的に記しているブログにも古巣のアクセスログが大量に残されるといった事象が顕在化した。
ただ、表立って筆者やBusiness Media 誠編集部に対する抗議はなかった。仮に今後も抗議がなければ、改めて言うまでもないが、各メディアの政治部上層部、あるいは政治部出身の経営陣の皆様方はズブズブだった、と筆者は判断する。当コラムの読者も同様の見方をするだろう。
実は、鼎談が掲載されて以降、複数の古巣の同僚、あるいは他社の記者から励ましの言葉やメッセージをいただいた。その大半は「よく言った」、「もっとやれ」だった。政治家、あるいは税金である官房機密費から不透明なカネを受け取った一部の記者たちにより、世間からいらぬ批判を浴びている真面目な記者たちに他ならない。
Twitterのタイムラインをのぞいていると、官房機密費問題に端を発したマスコミ不信は、着実に増幅している。筆者が大手マスコミ出身者として改めて強調したいのは、金銭の授受を受けた記者は古いタイプのごく一部の政治部出身者ばかりであり、他の記者は日夜ネタ探しに奔走し、ネタの裏取りに駆け回っているということだ。メディアのビジネスモデルが崩壊しつつある現在も、1人1人が問題意識を持ち、懸命に取材を続けている。
世界的な不況による広告費の激減、購買数や視聴率の落ち込みで大手マスコミは尻すぼみの状態が続いている。一部のズブズブだった記者たちのために、メディア界全体が沈むようなことがあってはならない。
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