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新聞が「若者は不幸である」と報じない理由ちきりん×赤木智弘の“ちゃかす”が正義(1)(1/4 ページ)

匿名ブロガーちきりんさんと、フリーライター赤木智弘さんの対談1回目。発行部数や広告費の減少などによって新聞社が苦しんでいるが、2人はメディア業界をどのように見ているのだろうか。

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 はてなダイアリーでさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー・ちきりんさん。「丸山眞男をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争」で広く知られているフリーライターの赤木智弘さん。Business Media 誠ではこの2人の対談を全10回にわたって連載する。メディア、若者論、雇用問題など、2人が徹底的に語り合った内容を詳細にお送りする。

赤木智弘さんのプロフィール

1975年8月生まれ、栃木県出身。長きにわたるアルバイト経験を経て、現在はフリーライターとして非正規労働者でも安心して生活できる社会を実現するために提言を続けている。

著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』(双風舎)、『「当たり前」をひっぱたく』(河出書房新社)がある。ブログ「深夜のシマネコ」、Twitter「@T_akagi


マネタイズの話ばかり


フリーライターの赤木智弘氏

ちきりん:新聞社が苦しんでいます。大手新聞社は今後もう営業黒字になることはないのではとも思います。テレビはまだがんばっているかもしれませんが、やはり地上波の先行きは暗い感じがしています。

 赤木さんはフリーライターをしていて、メディア業界をどのように見ていますか?

赤木:出版業界の人の話を聞いていると、みんなマネタイズの話しかしない。特に電子出版に関しては、その話ばかり。「本を作ること=マネタイズ」という話ばかりだと悲しいですね。目先のお金だけを追っていると、市場はどんどん狭くなっていくのではないでしょうか。

 例えばベストセラーを書いた著者に対して、多くの出版社がこぞって執筆依頼をしています。そうすると、その人が書いた本の内容はどんどん薄くなっていって、やがて読者に飽きられて終わってしまう。

 マネタイズを考えるのは大切ですが、長いスパンで見てみると、全体の利益を喪失しているかもしれません。ただ今の出版社は、長期的な視野で見る余裕がないような気がしますね。ライターや作家を育てるという意識よりも、「どのようにすればKindleやiPadに対抗できるか」といったことばかり考えている。

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