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新聞を信用できる、できないワケ(3/5 ページ)

全10回でお送りする、ブロガー・ちきりんさんと、フリーライター・赤木智弘さんの対談連載3回目。「今の新聞を信用できますか?」という質問に対し、2人はどのような考えを示したのだろうか。

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新聞社の記者もライターも、食べていくのが難しくなる


『論座』(2008年10月号)

ちきりん:赤木さんは紙メディアの『論座』(2008年10月号を最後に休刊)で書かれて、本を出されましたが、今の20代で仕事に就けない人にとっては、ネットメディアが大きくなっていったほうが主張がしやすいと思います。ネットを使えばものすごく安いコストで主張することができますよね。

赤木:ただ個人のブログレベルで主張しても、あまり影響力はない。なのでネットメディアがもっと大きな媒体にならなければ、個人の主張も伝わらないでしょうね。

 例えば普通に仕事をしていて、そのついでにブログを書くというのであればいいのかもしれない。しかしライターというのは文章を書いてメシを食っていかなければいけない。なのでお金にならないものよりは、お金になるほうを優先せざるを得ない現実がありますね。

 またアフィリエイトといっても、まだお小遣い程度のもの。マネタイズが十分ではないので、既存メディアとの比較は難しいでしょうね。

ちきりん:確かにこれからは情報発信者がものすごく増えていくと思うので、情報の単価は安くなる。新聞社の記者であれライターであれ、食べていくのは厳しくなっていくでしょうね。

新聞の存在意義はある

ちきりん:新聞社はこれまで市場を押さえてきたので、個人の意見が押さえ込まれてきた。しかし新聞社が小さくなっていけば、個人の意見が強くなっていく。

赤木:そうですね。ただ繰り返しになりますが、現状力を持っているのは、新聞社であることは確か。そこがやる気を出せばなんとかなるのでは、と思っていますね。

ちきりん:わたしは新聞社にはそこまで期待できなくて、私企業である限り、社会全体の主張を公正にカバーするような動きになるとは思えないんですよね(笑)。

赤木:わたしは人が変われば、もう少し変わるかなあと思っています。

 新聞社という組織が信用できないのか、それとも新聞社で働く人間が信用できないのか――という視点で違ってくる。もし働く人間が信用できないのであれば、その人たちを解雇して流動化させる必要がありますね。

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