コラム
“死んだ”に等しい検察は、蘇ることができるのか:相場英雄の時事日想(3/3 ページ)
大阪地検特捜部検事による捜査資料改ざん事件で、特捜部の歪んだ実態が浮き彫りになった。いわゆる“特捜神話”は地に落ちた格好だが、国民からの信頼を回復することができるのだろうか。
旧知のフリージャーナリストらによれば、検察当局はようやく会見の一部を既存の記者クラブ以外にもオープン化したが、録音制限など他の当局では考えられないような“規制”が多いという。この際、今回の事件を教訓に一般企業や他の省庁と同様のメディア対応を取ってはどうだろうか。
捜査や公判に関する重要情報は開示できないとしても、一般企業や他省庁が行っているようなごく普通のメディア対応は受け付ける。批判されるべきタイミングではしっかりと批判を受け止めるという当たり前の体質に変わることが出直しの第一歩ではないのか。
「出禁」という伝家の宝刀は、今後二度と使うべきではないし、特捜検事の逮捕という異常事態が起こった以上、もはや使えるはずもない。
「気に入らない報道だから締め出す」という傲慢な姿勢が改められない限り、検察当局の権威も信用も回復しないと筆者は考える。
関連記事
- 検察よ、少し“傲慢”ではないか
このところ地検特捜部を巡るニュースが相次いでいる。いずれも地検特捜部が追い込まれているので、「特捜部神話は崩壊したのでは」とみる人も少なくないのでは。今回の時事日想は筆者の相場氏が知る検察の姿などを紹介する。 - どうした自動車ジャーナリスト! 事実を語らない裏事情
どの世界にも事実を伝えようとしない、いわゆる“御用ジャーナリスト”が存在する。中でもクルマ業界のそれが、目立ってきているのではないだろうか。本当のネタを語ろうとしない自動車ジャーナリストの裏事情に迫った。 - 「美人記者」急増の危うさ……“体当たり”取材の功罪
最近、政治家を取り囲む記者たちの中に、“美人記者”が増えているのをご存じだろうか? 「記者として優秀で、たまたま美人」であれば問題はないのだが、もし「美人が条件で記者になった」のであれば問題だ。今回の時事日想は、“美人記者”が増えている背景などに迫った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.