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働かなくてもお金がもらえる……ベーシックインカムに賛成しますかちきりん×赤木智弘の“ちゃかす”が正義(10)(2/4 ページ)

すべての人に毎月最低限の生活費を支給する「ベーシックインカム」制度。この制度についてブロガーのちきりんさんとフリーライターの赤木智弘さんはどのような考えを示したのだろうか。

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ブロガーのちきりんさん

ちきりん:対処療法だけで、なんとかなると思いますか?

赤木:現状、対処療法しかないと思いますね。コミュニティがある以上、ある程度の上下関係ができるのは仕方がない。国という単位になると、上だけをはずすのは不可能。なのでそこに対しては、対処療法でちらしていくしかないと思うんですよ。そこは「あきらめつつも、許容はしない」という考えでいなければいけない。

ちきりん:なるほど。

赤木:あいまいな態度をとるしかない、といった感じですね。

ちきりん:なるほど。

ベーシックインカムのアイデア

ちきりん:ところでベーシックインカムのアイデアはとても面白いと思うんですが(関連記事)、わたしは「できないだろう」とも思っています。なぜできないかというと、公務員が自分の仕事がなくなるかもしれない状況を作るのは、あり得ないから。現状では制度のあり方を決めているのは公務員なので、絶対に自分たちの仕事をなくすようなことはしない。だから彼らの権力をそぐという議論をしないで、ベーシックインカムの話は進まないと思う。

赤木:ただベーシックインカム的な話をしていかないと、公務員が権力を持っているということをイメージしにくいのではないでしょうか。つまり「公務員に問題があるぞ」ということを国民に認識してもらうためにも、ベーシックインカムの話は有効だと思っています。

 ベーシックインカムの話を議論する上で有効だと思うのは「仕事を分散する」ということを考えること。仕事をしているからお金を得られるのではなくて、生活をしていることに対しお金を得られる、と考える。

 これまでの日本は経済成長を続けてきたので、多くの人は労働からしかお金を得られないと思っている。働かなければお金を手にするべきではない、とも思っている。こうした考え方は社会保障を考える上で、ものすごく邪魔をしている。

ちきりん:わたしも、そういう意味でベーシックインカムは社会保障の仕組みだけではなく、「労働とは何か」「人の生きる価値は何か」といった根本的な意義を問うていると思います。

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