あなたの給料を上げるための“逆張り”と“先読み”:ちきりんの“社会派”で行こう!(2/2 ページ)
資本主義の国では、給与は「需要と供給」で決まるのが基本。そこで、需給の法則に基づいて、給料を上げるための方法を2つ、ちきりんさんは提案します。
2.世の中が求めていることが、できるようになる
他者が持たないスキルを身に付ければいいとはいえ、スイカの種を100メートル飛ばせても高給の仕事は得られません。「世の中が求めていないこと=需要のないこと」ができても、意味はないのです。
しかし、「世の中で何が求められているか」ということを理解するのも簡単ではありません。なぜなら、現時点で求められているスキルは、すでに多くの人が習得を目指しており、供給はすぐに増えてしまうからです。
必要なのは、「将来、世の中で求められること」を予測して準備することです。これを先読みと呼びます。
ちきりんは、起業して30歳前後で大金持ちになった起業家たちが金銭的に報われることは当然と思います。彼らは逆張りのリスクをとり、先読みして(結果として)当ててきたのです。
モノ作りニッポンを支えてきたメーカーの技術者の仕事の価値は非常に高いでしょう。けれども、需給で考えれば彼らの給与が低いのもまた当たり前です。
彼らは「ほかの人と違うことをやる」という逆張りリスクをとっていません。「日本の有名大企業の社員になりたい」日本人はたくさんいます。メーカーに限らず、日本の大企業の大半は今より何割か給与を下げたとしても応募者数が減ったりはしないでしょう。
また、「これから世の中がどうなっていくのか」、それにともなって「将来、自分には何が求められるのか」という判断についても、会社員の多くは“辞令”に従い、自分で先読みするのではなく、会社組織の判断に任せてしまっています。
逆張りも先読みもしなければ、給与は払う側の思惑通りにしか動きません。
経済が好景気で会社がもうかっていれば、それでも毎年少しずつ給与は上がっていくでしょう。しかし、会社の業績が悪くなってきた時、逆張りも先読みもしてこなかった人は、会社が提示する給与をそのまま受け入れるしか方法がありません。
給与を上げるためには、人と違うことをやり(=逆張りで供給の少ない分野を狙い)、ここぞと思う分野を自分で選択していく(先読みで需要が大きい分野を予測する)ことが必要なのです。
そんじゃーね。
著者プロフィール:ちきりん
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」
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