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コラム

障害のある人が働く……このことを考えてみた吉田典史の時事日想(3/3 ページ)

多くの企業で、障害のある人を雇用している。しかし彼らが能力を発揮するために、企業は何らかの配慮をしているのだろうか。この問題について、障害者雇用に携わる矢辺卓哉さんに話を聞いた。

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障害のある人を採用することの意味

 矢辺さんは目の前にいる人と話をしながら、どのような経験をしてきてどういった考えを持っているのかと思いをめぐらすのが好きなのだという。

 「その人の良さを見つけ出し、それを感じ取ってもらうことに注意をしている。そこをきっかけに、自分に適した職場を見つけ、働くことの喜び、感謝を感じてもらいたい。例えば、精神障害者手帳を持つ人はまじめで一生懸命、そして周囲に気を使う傾向がある。そんなところに本人が気付くきっかけをこちらが与えるだけでも、前向きに就職活動に取り組むようになる」

 現在はブログやTwitterを通して就職や転職の無料相談をしている。また企業の人事部などには、障害のある人を採用することの意味を考え直してほしいと願っている。

 「法定雇用率を大幅に超えているある企業は、障害のある人を採用することで社員の団結力が高まった。『障害のある社員は我々の誇り』とも言う企業もある。経営理念や課題などを踏まえたうえで、採用を進めるほうがはるかにメリットがある」

 企業は売り上げや利益、そして効率や生産性を上げることに躍起になっている。矢辺さんは「それだけでは障害のある人もない人も心が満たされないのではないか」とポツリと漏らした。

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