日本とドイツのサッカーはこんなに違う! ブンデスリーガの試合を見てきた:松田雅央の時事日想(3/3 ページ)
ドイツのサッカー・ブンデスリーガで、日本人選手4人がプレーしている。日本でもブンデスリーガのテレビ放送が増え、ドイツサッカーをより身近に感じている人も多いのでは。今回の時事日想はドイツサッカーの現状などに触れてみたい。
日本人選手もすっかり定着
この試合、ヴォルフスブルクの長谷部は控えに回り残念ながら出場機会に恵まれなかった。今期のブンデスリーガでは他にシャルケの内田、ボルシア・ドルトムントの香川、フライブルクの矢野らがプレーしている。
ドイツでプレーした日本人選手の中で人々の記憶に最も強く残っているのは1977年から1986年にかけて活躍した奥寺康彦である。今でも年配のサッカーファンなら彼の名を覚えているほどだ。その後は間が空き、近年の日本人選手活躍の先駆けとなったのは2003年から2007年にかけてプレーした高原。ただし近年は期待に見合った実績を残す日本人選手がいなかったのも事実だ。
まだ日本人選手が珍しかった頃の話。日本の大きな期待を反映して日本人選手には数十人の報道陣が張り付き、一体どんな世界スターが来たのだろうとドイツメディアを驚かせたものだった。しかしながら、日本メディアの期待は選手の活躍に比べ異常なほど高く、空回りする状況が長く続いた。これは何もブンデスリーガに限った話ではなく欧州の他リーグも似たりよったり。活躍がなければ話題に困るから「今日、○○選手が練習でボールに触りました」などという、貧困な記事が書かれることさえ珍しくなかった。
これは勝手に期待を膨らまる日本メディアの問題なのだが、そういったちぐはぐな状況もだいぶ改善されてきたようだ。
真の意味で活躍を見せているのは今期加入の香川である。11節を終わり5得点はリーグ得点王争いの10位。香川の移籍金35万ユーロはこの活躍に比べると格安で「ドルトムントは安い買い物をした!」というのがドイツメディアの一致した意見である。
日本人選手の活躍がブンデスリーガ観戦の楽しみを倍増させている。
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