改正貸金業法の施行で、社会問題化することは何ですか
改正貸金業法が施行されたことを知っている人はどのくらいいるのだろうか。ネットエイジアの調査によると、全体の8割は「知っていた」と回答。ただ借入経験がある人とそうでない人では、“認知率”に差が出た。
借入総額を制限する総量規制などを盛り込んだ改正貸金業法が6月にスタートしたが、このことを知っている人はどのくらいいるのだろうか。ネットエイジアの調査によると、全体の80.9%が「知っていた(なんとなくを含む)」と回答していることが分かった。認知率を男女別で見ると、女性の75.3%に対し、男性は86.5%。また借入経験別で見ると、借入経験がない人は74.9%だったのに対し、借入経験がある人は90.4%と15.5ポイントの開きがあった。
また改正貸金業法が施行されたことを知っている人に、法律内容で知っていることを聞いたところ「借入総額が年収の3分の1以下に制限される総量規制」(91.3%)を挙げる人が最も多かった。このほか「収入のない専業主婦(主夫)が借り入れを行う場合、配偶者の同意書や年収証明、住民票などを提出すること」(64.6%)、「一定額以上の借り入れでは年収証明が必要になること」(41.0%)と続いた。ちなみに「グレーゾーン金利(利息制限法と出資法の間の金利)の廃止」について知っていた人は28.4%にとどまった。
ヤミ金に流れる人が増える
借入総額が年収の3分の1以下に制限されることについて、どのように感じているのだろうか。全体の8.8%は「困る(非常に+やや)」と回答した一方で、「困らない(あまり+全く)」としたのは70.1%。ただ借入経験がない人で「困る」としたのは1.9%だったのに対し、借入経験がある人では31.0%にも達した。また現在借入総額が3分の1を超えている人では、59.3%が「困る」と回答した。
改正貸金業法が施行されたことで、どのような問題が起きると思いますか? 全員に聞いたところ「借りられなくなった人が『ヤミ金』に流れたりする状況が多くなる」(81.1%)と答えた人がトップ。このほか「個人事業主の資金繰りの確保が困難な状況が多くなる」(49.0%)、「自己破産者が増加する」(46.1%)、「消費者金融などの破たんが増加する」(30.2%)と続いた。
ネットを使った調査で、20歳以上の男女2000人が回答した。調査期間は10月8日から10月11日まで。
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