総量規制の影響がジワリ……ヤミ金に接触した人は16.6%
2010年6月に改正貸金業法が完全施行されたが、利用者はどのような影響が出ているのだろうか。年収の3分の1以上のお金を借りることができなくなり、ヤミ金に駆け込む人も少なくないようだ。
2010年6月に改正貸金業法が完全施行されたが、利用者はどのような影響が出ているのだろうか。総量規制(年収の3分の1以上の資金を借りることができない)導入により、借入限度額を引き下げられた人で「ヤミ金と接触したことがある」(「利用したことがある(現在も残高あり)」2.0%、「利用したことがある(現在は残高なし)」5.2%、「利用したことはない(接触したことはある)」9.4%)人は16.6%に達していることが、日本貸金業協会の調査で明らかになった。
ヤミ金に接触したことがある人は、どのようにして不正業者を知ったのだろうか。この質問に対し「インターネット広告」(42.2%)がトップ。次いで「折込チラシ」(26.5%)、「ダイレクトメール」(18.1%)、「雑誌広告」(16.3%)、「友人・知人の紹介」(14.5%)と続いた。またどのようにして接触したかを聞いたところ「自ら電話をかけた」(54.9%)という人が断トツ。以下「ヤミ金業者から電話で接触があった」(15.1%)、「自らメールした」(11.4%)、「ヤミ金業者の事務所に直接行った」(7.8%)という結果に。
ヤミ金を利用する理由
なぜヤミ金を利用したのですか、と聞いたところ「正規の貸金業者がどこも貸付を行ってくれなかったから」(52.8%)と回答した人が最も多かった。次いで「緊急にお金が必要になったから」(45.8%)、「ヤミ金業者だと分からなかったから」(22.2%)、「以前から知っていた業者だったから」(4.2%)と続いた。
今後もヤミ金を利用しますか、という質問に対し「どんなことがあってもヤミ金から借り入れをしない」と答えた人が79.2%。しかし「どうしようもない状況になれば、ヤミ金でも借り入れせざるを得ない」が15.5%、「必要に応じ、借り入れを検討する」が4.9%だった。
インターネットによる調査で、総量規制に該当している1000人が回答した。調査期間は8月26日から9月17日まで。
関連記事
- 『闇金ウシジマくん』の関係者が語る、“優しい闇金”の真相(前編)
“優しい闇金融”と呼ばれる違法ビジネスを営む輩が、水面下でうごめいているのをご存じだろうか。その実態はベールに包まれていたが、ノンフィクションライターの窪田順生氏が彼らの実態を明らかにした。 - 商売になりませんよ。「借りたカネは返せない」と開き直るんですから
2010年6月に改正貸金業法が本格的にスタートした。罰則を強化することで消費者金融などがもうからなくなってきたが、その代わりに保証人紹介屋といった“すき間”商売に手を出す者が増えてきているようだ。 - あなたのそばにいる“優しいヤミ金融”……その実態は?
かつて高金利で厳しい取り立てを行い、社会問題にもなったヤミ金融。しかし今では、“優しいヤミ金融”と呼ばれる非合法な業者がはびこっているというが、その実態は不透明だ。そこで貸金業に詳しい、東京情報大学の堂下浩准教授に話を聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.