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「キャリアに保険をかける」にはどうすればいいのか?(2/3 ページ)

仕事をする上で安定性はとても重要なポイント。しかし、筆者がこれまでのキャリアカウンセリングやセミナーを通して会った人たちからは「本当の保険をかけていない」印象を持つという。

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留年してでも大手企業か、今年とにかく正社員か?

 「何が何でも大手企業」という学生さんはたくさんいます。その考え方は間違っていないとは思いますが、入社できる枠は限られており、大手企業の海外進出熱のおかげで日本人学生の入社できる枠は年々小さくなっていきます。

 もちろん大学生というステータスの方々が増え続けているという事実もあり、すでに内定率50%がスタンダードになっていく様相を呈しているわけです。

 その中で就職活動を考えた場合、本当に中小企業を毛嫌いして来年に賭けることが良い選択なのかは疑問に感じています。

 大手企業であればあるほど、有名企業であればあるほど、「優秀な人材を常に確保したい」と考えるものです。中小企業に就職したとしても、仕事の成果が常に評価されるものであれば、大手企業に転職できる可能性もありますし、そもそも統計上中小企業に勤める方々は転職をしているという事実があります(総務省のデータ)。

 もっと極端に言えば、1年や2年の留年で願いがかなうのであれば、高校野球の選手は甲子園に出場するために留年し続けるわけですが、そこは試合という勝負の中で実力を知り、大学野球、社会人リーグ、プロ野球と歩みを進めるわけです。

 なぜ就職活動だけが「努力は報われて当然」という考え方で進められるのか、疑問に思うわけです。このポイントが「キャリア保険」の考え方のベースになるものです。

キャリアへの保険は、自分自身への投資と同義ですが

 再就職を支援している方々へは、「再就職支援会社や人材紹介会社を頼らず、恥ずかしくても旧知の上司や同僚、知人や友人に相談するようにしてください」と話しています。

 新卒学生で内定を取れない方々へは「就活に関連する書籍やネット上の情報を鵜呑みにしない」ことと「就職支援会社に頼らずビジネスマナーを本気で学べ」と話しています。

 なぜそのような話をするのかというと、世の中一般の話に基づく行動では差別化にならないからです。

 そして、人事を経験した人間としては、会えば話さなくてもその人の技量や器、気遣い(気働き)について感じ取れるものであるということなのです。

 年代を問わず、自分自身を大きく見せたいというのが働く者の心情だと思います。私自身もそのようなことが多くあるので、いきなり独立してみるわけですが、途切れることのない困難の中で支えてくれる方々に感謝しながら暴れている状況なわけです。

 そういう意味で、1人では何もできないけれど、多くの人に支えられる人間であることが重要であり、それが保険になるのだと思うのです。生きている以上必ず周囲に迷惑をかけますので、「いつか恩を返す」という言葉を信じてもらえる自分でいることが最大の保険となると思います。

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