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コラム

元採用担当者が語る、就活の舞台裏吉田典史の時事日想(4/4 ページ)

現在大学3年生の就職活動が本格的にスタートした。景気低迷の影響を受け「超氷河期」ともいわれているが、採用担当者は学生のどのようなところを見ているのだろうか。今回の時事日想は元採用担当者に、就活の舞台裏を聞いた。

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学生のストーリーが見えない

 エントリーシートを読んでの感想を言うと、学生のストーリーが見えないものが多い。どのような問題意識を持ち、どういった学生生活を送ってきたのかが分からない。それでは判断ができない。主体性をもって学生生活を送ってきた人は、語るものをもっています。そのような応募者には引かれますね。

 例えば、これは極端な例ですが、今はリストラが増えていますから、親が失業したことを書くと私などは関心を持ちます。「長男である自分は、社会のこういう問題を感じ取った。そこでアルバイトしてこんなことができるようになった。これをこんな具合に職場で生かして生きたい」とストーリーになっていると、分かりやすいでしょう。私は面接試験に呼んで会ってみたいと思います。


 いかがだろうか。メディアが取り上げる、人事の仕事をしたことがない評論家やコンサルタントの話す内容とはかなりの違いがないだろうか。例えば、私が最近読んだ記事には「一部の大学の学生には特定のルートを設け、優先的に採用している」とか「面接では一発芸で面接官を笑わせると、“機転のきく学生”と思われがち」といったことが書かれていた。今回の2人の話を知ると、こういう記事の信頼度は低いと感じないだろうか。就活は情報戦。誤ったことを伝える有識者にダマされてはいけない。

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