コラム
ボルボとベンツに見る、ハイブリッドバスの未来:松田雅央の時事日想(3/5 ページ)
エコカーの主流としてハイブリッドカーが急速に普及してきた。商用車にもハイブリッド化の波が押し寄せており、特に路線バスの開発には各メーカーはしのぎを削っている。今回の時事日想は、ボルボとベンツのハイブリッドバスを紹介する。
これはディーゼルエンジンを発電にのみ利用し、駆動はモーターで行う「シリーズ方式」だ。純粋なEVだと「充電に時間がかかりすぎる」「大容量のバッテリーが必要になる」といった問題があるが、シリーズ方式はディーゼルエンジンを使うことでそれをカバーできる。通常の路線バスに比較して燃費はおよそ30%向上する。
長さ×高さ×幅:17.9×3.3×2.6メートル(連結バスタイプ)
重量:19トン
定員:132名
ディーゼルエンジン:OM 924 LA
ディーゼルエンジン出力:160キロワット
バッテリー:リチウムイオン
モーター出力(計4基):各60〜120キロワット
ただしシリーズ方式は出力制御が容易でトランスミッションが不要といった利点がある半面、ディーゼル車とEVの両方のシステムを載せる必要がある。また熱エネルギーのロスがある点もデメリットだ。
そのためメルセデス・ベンツはディーゼルエンジンの代わりに水素燃料電池を搭載したハイブリッド路線バス「Der Citaro FuelCELL-Hybrid」の開発を進めている。同社はこれまで継続して水素燃料電池の研究開発に取り組んでおり、IAA2010に出展されていたのはこのタイプだった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.