コラム
それでもベンチャー企業で働きますか? ペケ社長の見分け方:吉田典史の時事日想(4/4 ページ)
「ベンチャー企業は実力主義。だから就職した方がいい」といった声を聞くことがある。しかし本当にベンチャー企業は理想の働き場所なのだろうか。今回の時事日想は売上10億円〜30億円の壁を越えられない会社を取り上げ、その原因を分析した。
このとき、経営者は前回紹介した「負のエネルギー」を捨てる(関連記事)。つまり、過去の傷やコンプレックスが癒やされ、人を信じるのだ。創業経営者は優秀ではあるが、何かに飢えている場合が目立つ。極端なほど自己中心的な性格であり、自己愛が強い。しかし、ようやくこの時期になり、悟る。他人は自分の思い描いたように動かないとか、自分についてきてくれる部下たちを許すことを知る。
役員になった元マネージャーも、そのような経営者を見て、初めて信頼する。これが強力なコンビとなり、新たなマネージャーや、その子分を次々と作る。こうなると組織戦が可能になり、営業力は息を吹き返し、10億円の壁を越える。
10億円と30億円の壁の違いは、前者は「組織戦」で乗り越えるものであるに対し、後者は「徹底した組織戦」で突破するものであること。いずれも、経営者が「負のエネルギー」を捨てることができるかどうかが問われる。
しかし、それはあまりにも難しい。私は取材でこのように感じ取ったが、このような会社で働く人にはどのように映るのだろうか。
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