「スーパーはくと」と「のぞみ」の違いとは?――“画一性”の醜さ:ちきりんの“社会派”で行こう!(3/3 ページ)
大阪〜鳥取間を結ぶ特急スーパーはくとに乗って、東海道新幹線の乗客の画一性に気付いたちきりんさん。画一的であることのメリットとデメリットには、どんなことがあるのでしょうか?
画一性の追求で失われたものが意識されていない
「多様性を捨てること」「効率的であろうとし、画一性をとことん追求すること」で、私たちが失っているものは何なのでしょう? それが良いとか悪いとかではなく、「何を失っても良いと決めたのか」「画一性のために犠牲にされたものは何なのか」ということ自体が意識されていない。そのことに不安を感じます。
確かにビジネスは画一性を追求すれば効率が良くなり、利益率が上がるかもしれません。でも、文化や芸術、自由な人間性の発露など、画一的な世界からは絶対に生まれないものもあります。
そしてビジネスの現場であっても、「同じものを大量に生産する」には効率が大事でしょうが、画期的でクリエイティブな商品アイデアを生み出すためには、画一性より多様性が大事になるはずです。自分がほかの人とは違う、ということ。みんながみんな同じではない、ということ。同じである必要もない、ということ。同じでないことを各人が自由に表現できる、ということ。そういう環境からしか生まれないものもたくさんあるはずなのです。
どの土地でも似通っている郊外型ショッピングセンターでしか買い物を楽しまず、新幹線や飛行機での移動しかしない人は、何か特定の感性を全く刺激(育成)しないまま大きくなるということなんじゃないかという気がするのです。
それともそんなことは「どうでもいいこと」「心配する必要もないこと」なのでしょうか?
そんじゃーね。
著者プロフィール:ちきりん
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」
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