“あるべき論”とはお別れ、これからはゆるく考えよう!:ちきりんの“社会派”で行こう!(2/2 ページ)
高度経済成長期のように、今後の大幅な発展が望めなくなっている日本。そんな時代の変化に合わせて、これまでは当たり前だった考え方から抜け出す必要がある、とちきりんさんは主張します。
これからはゆるく生きよう!
実はこのコラムの元となっているブログ「Chikirinの日記」は『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』として書籍化され、1月20日に発売されることになりました。
この本の中心メッセージは「従来からのあるべき論を離れてゆるめに考え、自分基準でラクに生きようよ」というものです。これまでブログで書いてきたちきりん流の考え方を、基本姿勢、人生の選択、お金、仕事、生活スタイルなどの分野別に再構築してまとめています。
私がずっと意識しているのは、「こうあるべき」「通常はこうするもの」などの規範を守るために頑張るのではなく、自分が楽しいと思うこと、ラクなこと、好きなことができるだけ多い人生にしたいということです。
日本の人は本当に誠実で真面目です。家族や社会や会社など他者の期待に応えようとして頑張ります。時に頑張りすぎ心折れてしまったり、頑張りきれない自分を責めたりします。もしくは、「頑張っても報われない社会の環境はおかしい」と言って、それを何とか変えようとさらに頑張る人もいます。
頑張ることも真面目なこともすばらしいことではありますが、今年のちきりんのお勧めはちょっと発想を変え、自分が楽しいと思えること、ラクに生きられる道を(社会からみてどうかという視点とは別に)選んでみるという生き方です。
「Chikirinの日記」は“おちゃらけ社会派”ブログとして、社会に対して自分が言いたいことを遠慮せずぶっちゃけて語るブログです。そこでは自分が面白いと思えることしか書きたくないし、少々過激な意見でもできる限りストレートに表現したいと思っています。
多くの方が読んでくださるのはうれしいですが、誰かが面白いと言ってくれるから書いているのではなく、自分が面白いと思えるから書くだけです。そしてブログだけでなく、生き方においても、今後はそういうスタイルでやっていければと考えています。
今年以降、日本だけでなく先進国はどこも過去の常識が通じない新しい時代を経験することになるでしょう。それならば、そこで暮らす個々人も、過去に通用していた「あるべき論」にとらわれず、今この時点で自分が楽しいと思えること、ラクなことを中心として人生を作っていくのが一番です。
そんな考えに共感していただける方に、「Chikirinの日記」「ちきりんの“社会派”で行こう!」、そして『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』も読んでいただけるとうれしいです。今年も“おちゃらけ社会派”をどうぞよろしくおねがいいたします!
そんじゃーね。
著者プロフィール:ちきりん
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」
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