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コラム

物価の優等生が皮肉な結果に……汚染された“ダイオキシン卵”松田雅央の時事日想(4/4 ページ)

「毎日食べている卵がダイオキシンに汚染されているかもしれない」――。ショッキングなニュースが、ドイツ社会を揺るがしてる。具体的な健康被害の報告は出ていないが、汚染経緯には不明な点が多く、消費者の不安は払拭されていない。

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 ドイツの物価水準や賃金水準から推し量ると、この価格で卵が小売店に並ぶにはどこか無理がある。筆者がよく行く自然食品店ならば卵の価格は10個3.6ユーロ(396円)で、良好な条件で生産しようとすればこの程度の価格になると考えていい。3.6ユーロの生産コストを1.3ユーロまで下げるためには、当然、飼料代を節約しなければならず、「不正な原料から格安飼料を生産する」という犯罪の温床となる。

 物価の優等生とは何とも皮肉な言葉だ。消費者が生産者に無理な低価格を強いると、結局、消費者がしっぺ返しを食らうことになる。


有機栽培農家のニワトリ。陽の当たらない鶏舎で一生を過ごすニワトリとは違い、屋外で飼育されている。もちろん飼料も有機栽培されたものだ
※1ユーロ≒110円


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