出版社・新聞社の倒産件数、2001年の1.5倍
出版社や新聞社は昨年、どのくらい倒産したのだろうか。帝国データバンクの調査によると、2010年の倒産件数は44件となり、過去10年間で最も多かった2009年(57件)と比べ、22.8%減少していることが分かった。
「出版不況」と言われ続けているが、出版社や新聞社(出版業者)は昨年、どのくらい倒産したのだろうか。帝国データバンクの調査によると、2010年の出版業者の倒産件数は44件となり、過去10年間で最も多かった2009年(57件)と比べ、22.8%(13件)減少していることが分かった。2006年(46件)以来4年ぶりに50件を下回ったが、2001年と比較すると57.1%増加しており、依然として高水準で推移している。
2010年の負債総額は73億5900万円。2009年の200億4000万円と比べ、126億8100万円(63.3%減)の減少となった。その結果、倒産1件当たりの負債額は1億6730万円となり、2008年(3億7930万円)や2009年(3億5160万円)と比較すると50%以上の減少率となった。「2010年は倒産の小型化が顕著になってきた。ちなみに全業種においての1件当たりの負債額が5億9500万円であったことから、出版業者の倒産は全体の中でも小規模のものが多かった」(帝国データバンク)
印刷業者の倒産
書店を経営する業者は昨年、どのくらい倒産したのだろうか。2010年の倒産件数は31件(前年比16.2%減)となり、2年連続で前年を下回ったものの、4年連続で30件を超えた。また印刷業者の倒産件数は153件で、過去10年間で最多の倒産件数を記録した2009年(174件)と比べ12.1%(21件)減少した。印刷業者の倒産について「出版不況による売上減少に加え、原材料価格高騰で資金繰りが破たんした業者が目立った」(帝国データバンク)
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