コラム
なぜ30〜40代は、“自分を言いくるめる”のか:吉田典史の時事日想(4/4 ページ)
「オレはいつでも独立できるが、あえて会社を辞めない」――。このような発言をする人が、身の回りにいないだろうか。30〜40代の会社員に目立つ、現実を知らない人たち。その背景に迫った。
現実を知らない人たち
私が会社員だったころを振り返ると、明らかに自らを高く評価していたと感じる。今年で会社を離れ、6年目になったが、ようやく自分のレベルが見えてきた。今、会社員と話すと、その大半がかつての自分と同じく、自意識過剰に思える。
ほとんどの人が給料や賞与、待遇の話になると「これだけの仕事をしている。これはすごいことだ。だから、もっと……」と言っているように聞こえる。取材で多くの会社に行き、たくさんの社員から話を聞く自分からすると、「それはたいしたことではない。よその会社は、はるかに過酷だ」と言いたくなる。要するに、彼らは現実を知らないのだろう。
このように会社員がスキルやノウハウといった職務遂行力などを客観的にとらえる場が少ないことが、閉塞した労働環境を作る一因であるようにも思える。その理由は機会を改めて書くことにしたい。
ところであなたは、自分を言いくるめていないだろうか。
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