コラム
低炭素社会を目指す、ハンブルクの挑戦を紹介しよう:松田雅央の時事日想(4/4 ページ)
ドイツ北部に位置するハンブルクが、環境の取り組みと先進的な将来計画が評価され、EU(欧州連合)から「2011年EU環境首都」に選ばれた。ハンブルクはこれまで、どのような取り組みをしてきたのだろうか。今回の時事日想は、都市の環境戦略を紹介しよう。
低炭素社会と都市のステータス
先に述べた通り低炭素社会の取り組みは低地の多いハンブルクの利益に直結するだけでなく、さらなるメリットを生み出してくれる。EU環境首都という称号は名誉であり、ハンブルクの知名度を世界に広める最高のPR手段でもある。
また企業誘致を検討する際、良質な環境イメージは強力なセールスポイントとなり「ハンブルクに立地することが企業のステータスに直結する」という認識の広がりが期待できる。低炭素社会の取り組みは単なるイメージの問題ではなく、ライバル関係にある他都市との競争に勝つための実利的な武器とも言える。そのメリットは計り知れない。
さて次号では、州の環境局と商工会議所が連携して環境優良企業を支援する「環境パートナーシップ制度」を取り上げ、環境と経済の両立という切り口からハンブルクの環境戦略に迫りたい。
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