コラム
小沢元代表の強制起訴に見る、検察審査会の危うさ:藤田正美の時事日想(3/3 ページ)
小沢一郎・民主党元代表が、強制起訴された。しかし強制起訴に踏み切った検察審査会の制度や審査に問題はないのだろうか。今回の時事日想は検察審査会のあり方などについて考えてみた。
しかも無作為で選ばれた11人の検察審査会のメンバーは、「国民の代表」というだけの正統性を有していない。その人たちの素性も審査の過程も何も明らかにされないのでは、正統性など主張できるはずもない。裁判員裁判でも、裁判員を自分の「代表」とは思わないし、人を裁くことが自分の権利であるとは考えない。
国家権力を国民が監視することは、民主主義社会として必要だ。それは歴史によって育まれてきた知恵でもある。しかし「国民の名の下に」権力の行使をすることにはよほど慎重でなければなるまい。「国家」と「国民」は決して同じものではないからである。
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