検証:羽田発の海外の旅! アメリカン航空の就航初便でニューヨークへ:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(3/7 ページ)
2011年2月20日、ブリティッシュ・エアウェイズのロンドン線やデルタ航空のデトロイト線とともに、アメリカン航空のニューヨーク線が羽田から新規に就航した。羽田の国際化は、これからの旅にどんなスタイルを定着させようとしているのか? それを改めて検証するため、私は就航初便でニューヨークへ飛んだ。
ハワイアンシェフによる早朝限定メニュー
アメリカン航空AA134便は、定刻どおり6時40分に出発した。羽田線の使用機材は、ボーイング777-200。キャビンはファーストクラス16席、ビジネスクラス37席、エコノミークラス194席の計247席で構成されている。ファーストクラスとビジネスクラスには多少の余裕があったものの、エコノミークラスは満席だ。
離陸して1時間が経過し、機内ではミールサービスが始まる。そのメニューづくりでは、早朝便ゆえの工夫が必要だったようだ。アメリカン航空の機内食は、これまで数多くの受賞歴があるハワイ生まれのシェフ、サム・チョイ氏が監修している。羽田就航の記念式典のためにチョイ氏が来日したのを機に、私は彼の宿泊ホテルを訪ね、事前にインタビューする機会を得た。
「おいしいレストランを見分けるコツ? 痩せたシェフが料理をつくっているレストランは、信用しないほうがいいね」
そう言って白い歯を見せるチョイ氏は、自ら作るのも食べるのも大好きという陽気なハワイアンだ。アメリカン航空のハワイ路線でメニューづくりを任されたのが、いまから6年前。ボリュームたっぷりのハワイアンスタイル・フードが好評で、その後は成田線を含むアジア路線も担当するようになった。
「でも成田線と違って、早い時間に発つ羽田線はひと工夫とふた工夫も必要だったよ。朝は胃の状態が人によって違うでしょ。まだ身体が起きてなくて、軽いもので済ませたい人にはサラダを中心にした料理を、もう少しブランチ的なものを食べたい人にはポテトケーキやポークを使ったややボリュームのある料理を用意したんだ。もちろん、しっかり食べたい人向けのメニューもあるよ。お腹ぺこぺこの状態で乗ってきた人には、サーモンを使ったハワイの伝統的な料理にぜひトライしてみてほしいな」
ちなみに、ビジネスクラスでは通常、席につくとすぐにウェルカムドリンクとしてシャンパンなどがサービスされる。AA134便では早朝という時間帯を考慮してそのドリンクリストに新鮮な苺のスムージーを加えたのも、チョイ氏の発案だった。
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