東北関東大震災で頼りにされたTwitterアカウントは?:誠 Weekly Access Top10(2011年3月12日〜3月18日)
2万人以上の死者・行方不明者を出している東北関東大震災。多くの人が避難所生活を送り、電力会社が計画停電も行うなど、その余波はまだ続いている。この東北関東大震災で活用されたメディアの1つがTwitterだが、どんなアカウントが多くのフォロワーを引き付けたのだろうか。
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リアルタイムに情報共有できるツールとして、東北関東大震災発生以降、より活発に利用されているTwitter。震災対応で新たに登場したアカウントも多くあるが、現在のTwitterの勢力図はどのようになっているのだろうか。
twproのフォロワー増加数ランキング(2010年3月21日付)を見ると、この1週間に最もフォロワーを増やしたのは、「首相官邸(災害情報、@Kantei_Saigai)」で26万1504人増。2位は「東京電力株式会社(@OfficialTEPCO)」で21万6114人増。
これらはいずれも先週開設されたばかりのアカウント(首相官邸は3月13日、東京電力は3月17日)。meyou.jpによると、日本のTwitterアカウントでフォロワー数が20万人を超えているのは、わずか45アカウント。リアルタイムの政府動向、東京電力の計画停電情報に、どれだけのニーズがあったかが想像できるだろう。
このほかにも、5位「NHKニュース(@nhk_news)」、7位「地震速報(@earthquake_jp)」、9位「NHK生活情報部(@nhk_seikatsu)」、10位「総務省消防庁(@FDMA_JAPAN)」など、企業・団体系のアカウントが多くランクインしている。
3位に「東大病院放射線治療チーム(@team_nakagawa)」、4位に東京大学理学系研究科物理専攻長の「早野龍五(@hayano)」さんが入ったのは、福島原発の事故で放射線が関心の的となったからだろう。ここ数日、テレビでも東日本各地の放射線量が紹介されるようになっており、SFで見ていた世界が現実化したかのようである。
誠のトップページ右上にも「放射線漏れを感知する、東日本のモニタリングポスト一覧」という記事をずっと配置している。通常は新しい記事に随時切り替えていくのだが、継続的に読まれているので動かしにくいのである。おそらく、天気予報のように毎日、放射線量を確認している人が多いのだろうと想像している。
早野龍五(@hayano)さんのフォロワー数推移(出典:twpro)。すぐに成果が見えにくいことから基礎科学分野は予算が削られがちだが、その研究者が顕著に社会に貢献しているという意味でも、意義深いと思う
6位は被災者に向けたイラストを描き続けているマンガ家の「井上雄彦(@inouetake)」さん。8位は「震災孤児に携帯を無償で貸与する」と発言したことなどが話題となったソフトバンクグループCEOの「孫正義(@masason)」さん。ちなみに孫CEOはここ数日のフォロワー数の急増で、ガチャピン(@GachapinBlog)さんを抜いて、日本のフォロワー数ランキングでトップとなった※。
ほかにも、堀江貴文(@takapon_jp)さん(14位)や津田大介(@tsuda)さん(26位)、伊東乾(@itokenstein)さん(42位)など、震災後にキーパーソンとなった人たちが着実にフォロワーを獲得している。今後、日本が復興の段階に移るにつれて、Twitterの世界もどのように変化していくのか注目していきたい。
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