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社長・岡田斗司夫、社員から給料をもらいますマネーを追う(1/3 ページ)

“オタキング”こと、岡田斗司夫さんが運営している会社のシステムはかなり変わっている。岡田さんは原稿料などを受け取らず、社員から給料をもらっているのだ。この聞いたこともない「FREEex(フリックス)」というシステムに迫った。

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 ネット上に溢れる無料のコンテンツ。イマドキの学生は有益なコンテンツを見つけると「落ちている」という。落ちているコンテンツを必死になって探せば「勉強熱心な人」と言われ、みんなからほめられる。そしてそれを仲間に教えるのは「いいことをした人」になる。

 2010年は「電子書籍元年」と言われ、さまざまな専用端末が登場した。電子書籍市場が拡大すれば「もっと本が売れるだろう」「もっと読者が増えるだろう」といった声があるが、本当にそんなバラ色のような世の中になるのだろうか。むしろ「大量の失業者を生む」――そう警鐘を打ち鳴らす人がいる。

 オタク学からダイエット論まで、幅広いジャンルの情報を発信してきた岡田斗司夫さんは、ネット社会がモノや情報の価値を変えていくと見ている。「『ネット社会には新しいビジネスチャンスがある』という人がいるが、騙されてはいけない。1000人のうちチャンスをつかむのは2〜3人だけ。それ以外の人は無職が当たり前の時代になる」という。

 例えば書籍の世界を見ると、作家が書いた本が読者の手に届くまで、いくつかの工程を経る。作家→編集者(出版社)→印刷→取次→書店→読者といった流れだ。しかし電子書籍が普及すると、作家→編集者→読者または作家→読者となり、その間に介在する出版社・印刷・取次・書店が不要となる。「いや、自分は紙の本でないと嫌だ」という人もいる。しかし低価格の電子書籍が普及すると、多くの読者はそちらの方向に流れていくだろう。


幅広いジャンルの情報を発信している岡田斗司夫さん

 本の未来の姿を現しているのが、今の商店街かもしれない。店じまいした店舗が並んでいる商店街のことを“シャッター通り”と揶揄するが、この光景は地方で目立つ。近くに大型のスーパーがあれば、そこで買い物をする人は多い。たくさんの食材が並んでいて、しかも価格が安い。さらにクルマで行けるところが多いので便利だ。一方の商店街は品ぞろえが少なく、価格もやや高め。もちろん商店街でしか買えない商品もあるだろうが、それでも「地域のために商店街で高い食材を買おう」という人は少ない。

 商店街と大型スーパーの関係のように「地域の書店のために高い本を買おう」と訴えても、賛同する人は少ないだろう。「私たちの社会は便利になっている。しかし便利な社会は大量の失業者を生む。この失業者を生むシステムに打つ手はない」と岡田さんは悲観する。

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