震災でも活躍、なぜかプチプチしたくなる「プチプチ」のハナシ(2/2 ページ)
みんなが知っている「プチプチ」の正式名称は「気泡緩衝シート」。チリの岩盤事故で作業員たちのストレス解消に役立っただけでなく、今回の大震災でも活躍しているのだという。
なぜプチプチは、プチプチしたくなるのか
「なぜプチプチは、プチプチしたくなるのか」
この答えに対して、川上産業の「プチプチ文化研究所」による編集公式ブックによると、「あるとつい、プチプチしたくなる行動は、心理学的には『アフォーダンス』と呼ばれています」とある。
「アフォーダンス」とは、そこにあるものに自然に反応するという概念で……見たらついついやってしまう。やらずにいられない。そういう環境やデザインや条件を備えたものを言うらしい。プチプチ(R)は、つぶさずにはいられない。子猫は、触ってわしゃわしゃせずにはいられない。非常ボタンを見ると押したい衝動に駆られる。穴があったら頭を突っ込んでみたりしたくなる。そんな人間の心理のことである。
このプチプチから学ぶ「アフォーダンス」という概念は、今後のマーケティングにとって、とても大事な気がする。「アフォーダンス」があるものにあるのは、「余白」と「予感」である。
プチプチは、気泡緩衝という機能価値から生まれた。しかし、その形とデザインには……消費者自らが突っ込んで関与していく「余白」がある。それに触れて欲求を満たしている自分=近い未来への「予感」がある。
インターネットが販売促進の核となるメディアになりつつある。インターネットは、自分から検索して情報を取りに行ける。欲しい情報は、いつでもその中にあると分かっていると、新しい情報への感度は落ちる。消費のスイッチを押すのは、どんどんと難しくなる。
そういう時代だから「なぜかしら●●したくなる」というアフォーダンス的スイッチのことを語れたり、形にしたりすることは欠かせなくなる。
ブランドの話、街作りの話、そういう固い会議のところにプチプチから学ぶマーケティング話は、良い緩衝材になるはずである。(中村修治)
関連記事
- 「ネットの中心で、『金をくれ』と叫ぶ」とナンボになるか?
先日、米国のコメディアン・クレイグ・ローウィンさんが、動画投稿サイトYouTubeで100万ドルをおねだりし、実際に100万ドルを獲得したと、世界中で話題になった。実は日本でも「金くれ」と叫んでいる人たちはたくさんいる。 - 給与明細を他人にぶっちゃけたら……その先どうなる?
「給与明細を他人にぶっちゃける」というニュースが時折り世間をにぎわす。確かに他人の給与明細は気になるし、素直に見たいとも思う。しかし、それが現象として現れるとなると、いかがなものだろうか。この現象の先には、何があるのか考えてみよう。 - 『闇金ウシジマくん』の関係者が語る、“優しい闇金”の真相(前編)
“優しい闇金融”と呼ばれる違法ビジネスを営む輩が、水面下でうごめいているのをご存じだろうか。その実態はベールに包まれていたが、ノンフィクションライターの窪田順生氏が彼らの実態を明らかにした。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.