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コラム

海外でのイメージは? 原発事故を起こした“フクシマ”松田雅央の時事日想(3/3 ページ)

原発事故の発生から、1カ月が経とうとしている。海外メディアでも冷静な報道が目立ってきたが、市民の間では「フクシマ=危険」というネガティブイメージは根強い。こうしたイメージを払拭するにはどのようにすればいいのか。

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 改めて書くまでもなく、この状況は日本の輸出産業にとって重大な脅威だ。風評被害を防ぐため、日本は輸出品の放射能チェックを直ちに強化しなければならない。品物だけでなく包装材やコンテナまで、放射能に汚染されたモノは一切国外に出ないことを実証する必要がある。風評を退けるには「どの物品からも決して放射能が検出されない事実」を積み重ねるのが唯一の方法だ。

 輸出前の放射能検査に加え「産地証明」や「放射能ゼロを保証する安全マーク」のような認証制度も有効である。認証制度についてはドイツ消費者保護庁の高官が、すでにその必要性に言及している。高い安全技術で守られていたはずの原発が重大事故を起こし、日本の技術神話は大きく傷ついた。「Made in Japan」というブランドを守るため、一刻も早い対策練り直しが望まれる。

 福島と日本は今、未来のイメージを決定する岐路に立たされている。

 今後、世界が原発事故を語る際「第2のフクシマを生むな!」がキャッチフレーズになるのか。それとも「フクシマの対策を見習え!」と言われるのか。このイメージの差はあまりにも大きい。

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