大震災後、就活生の7割が“不安”
東日本大震災の後、就職活動で不安を感じている学生はどのくらいいるのだろうか。2012年3月に卒業予定の大学生に聞いたところ、約7割が「不安を感じている」と回答していることが分かった。レジェンダ・コーポレーション調べ。
東日本大震災の後、就職活動を続けるにあたって不安を感じていますか? 2012年3月に卒業予定の大学生に聞いたところ、67.3%が「不安を感じている」と回答していることが、レジェンダ・コーポレーションの調査で分かった。地域別に見ると、震災の影響を強く受けた「東北」(80.4%)、「北海道」(74.1%)、「関東」(71.3%)で就活に不安を感じている人が目立った。
不安を感じている理由として「採用数減少、採用中止の恐れ」「選考スケジュールの延期」など企業の採用方針に関わるものが多かった。また「長期化によってモチベーションが維持できるか分からない」(北海道、女性)、「研究や学会発表、国家試験などに影響する」(東京都、男性)といった声もあった。「東日本大震災を受けて、採用活動を延期する企業が相次いだことや、経済の先行き不透明感が重なり、被災地の学生はもちろん、被災地外の学生も就職活動を行うにあたり不安定な心理状態に陥っていることがうかがえた」(レジェンダ・コーポレーション)としている。
震災後、就活に支障をきたした
震災後、就活に支障をきたしましたか? この質問に対し「説明会・選考の中止、延期」(86.4%)と答えた人が断トツ。このほか「企業からのメール、電話での連絡遅延」(45.4%)、「説明会・選考会場への移動」(20.5%)、「選考書類作成」(13.4%)、「携帯電話での通話」(12.3%)という結果に。
「企業は採用活動の見通しを学生に伝えることで学生の不安を軽減していくことが大切。そして採用活動のスケジュールを明確にし、就職活動の長期化を避ける配慮が求められる。また企業は被災地の学生と被災地外の学生の間で不公平感が生じないよう、被災地の学生には別枠のスケジュールを設けるほか、被災地外の学生と同じ選考基準で評価することが必要だ」(レジェンダ・コーポレーション)
インターネットによる調査で、2012年4月入社を希望する大学生(大学院生を含む)1129人が回答した。調査期間は3月25日から3月31日まで。
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