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コラム

汚水処理場がないのにトイレを使うようなもの……日本の原発は藤田正美の時事日想(3/3 ページ)

福島第1原発の事故は、日本のエネルギー政策の失敗を意味しているのではないだろうか。電力料金は高いし、安定したエネルギーの切り札とされた核燃料サイクルも実現していない。政府はまず「政策は失敗だった」ことを認めるべきだろう。

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 枕を高くして眠れないのは政府も同じである。原子力の新設は非常に難しくなることは間違いない。そうなると9電力体制でより効率よく使うためには、周波数を統一するということも視野に入れなければなるまい。もともと成り行きから日本の中に50ヘルツと60ヘルツが混在していて、そのために東西の電力融通に限界があるのであれば、そろえることを考えるのが筋である。

 幸い、というか日本の電力需要は右肩上がりでどんどん伸びるという状態にない。「オール電化」にもブレーキがかかるだろう。夏場の需要期を乗り切るだけの電力と言うなら、太陽電池の設置が進めば、一定の効果はあるはずだ。40万戸の家に設置できれば新しい原発1基分である(快晴の場合に限られるが)。一時、国が太陽電池への補助金を削減したために、日本では太陽電池の普及が遅れた。再び設置を促進するようになったが、補助金を増やすことも必要だ。ほぼ100%を輸入に頼るエネルギーだけに、抜本的な見直しは難しいが、それでも従来の延長線の上に未来はないと思う。

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