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大企業の正社員、3割は会社を辞めるちきりん×城繁幸の会社をちゃかす(1)(4/7 ページ)

東日本大震災の発生以降、「今後どのように働いていけばいいのか」と考えるビジネスパーソンも多いのでは。ポスト大震災の働き方について、人気ブロガーのちきりんさんと人事コンサルタントの城繁幸さんが語り合った。

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ビジネス全体に自粛ムードがまん延している(写真と本文は関係ありません)

ちきりん:ビジネス全体に自粛ムードがまん延していますよね。多くのイベントが中止になっていますが、それでも大手広告会社の人はあまり困らないでしょう。給与は変わらずボーナスがちょっと下がるだけ。けれど花火大会が中止になると、その日に雇用されるはずだった多くの人たちの仕事がなくなってしまう。夜店を出す人や警備のアルバイトなど、ものすごく多くの人が働くことができたはずなのに、彼らにその分の収入は入ってきません。大変だと思います。

 大企業で働くサラリーマンのボーナスも下がるかもしれませんが、彼らは食べるには困らないわけで、こうなってくると震災後は、もっと「大企業に就職したい」という安定志向が強まるのではないでしょうか。

城:学生の大企業志向はしばらく続くと思います。その一方で大企業で働いている人たちの働き方、価値観は変わってくるでしょう。同じ終身雇用で雇用は保障されていても、多くの人が出世できなくなってしまう。なぜなら新人が入ってこないと、彼らは出世できないからです。

 デフレ経済で利益がなかなか伸びないので、人件費のベースアップもない。昔は賃金カーブのピークは50歳くらいでしたが、徐々に下がってきていて今は40歳くらい。さらに35歳くらいに下がってしまうと、30歳前後で自分の将来が分かってしまう。「あ〜オレはずっと平社員のままだな」「年収のピークは600万円くらいだな」といったことが分かってくると、大企業で働いている正社員の価値観は180度変わってくるのではないでしょうか。

ちきりん:そうなれば、彼らはどのような行動をとるのでしょうか?

城:まず3割は会社を辞めるでしょう。彼らは「自分たちはエリートでなければいけない」という強迫観念を持っていますから。大企業もそうした人たちを採用していますし。彼らは「こんなことやってられるかっ!」となり、外資やベンチャー企業に転職するでしょうね。

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