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コラム

天災の後は人災だ 壊れゆく地域社会相場英雄の時事日想(4/4 ページ)

宮城県石巻市に、水浜という小さな集落地がある。この地は津波に飲み込まれ、その後の支援が遅れ地域社会が崩壊してしまった。なぜ被災者は天災だけでなく、“人災”にも遭ってしまったのだろうか。

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異様な事態


5月14日、雄勝湾。海は穏やかだが、筆者が前回訪れたときよりも水面が近い

 5月15日、同地区では仮設住宅の入居に向け、抽選会が開かれた。ただ、他地区の住民も応募した結果、水浜の住民が3人しか当選しないという異様な事態が生じた。結果を巡り、行政側と住民が話し合い、再抽選を行うという混乱が起きた。

 石巻市と周辺町村が合併した結果、小さな集落まで行政の目が行き届かなかった弊害としか言い様がない。

 水浜から離れて暮らし、筆者と同地を引き合わせてくれた大学院生Aさんから、こんな声が届いた。

 「水浜にいない人間が、集落の存続うんぬんを言うことはできないかもしれませんが、私は故郷をなくしたくないです」――。

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