コラム
菅首相、お辞めなさい:藤田正美の時事日想(3/3 ページ)
永田町で繰り広げられた“茶番劇”を見て、改めてこの国の政治家にガッカリした人も多いのではないだろうか。菅首相は被災者を「人質」にし、「歴史の評価に耐えられるのか」などと野党を恫喝しているが、その姿は指導者として恥ずかしい。
菅首相に足りないもの
要するに菅首相に足りないのは、リーダーとしての資質である。だいたいいったん辞任を表明した指導者が半年以上も「求心力」を保てるのかという問題が残る。米国の大統領で言えば、任期二期目の最後の1年は「レイムダック」と呼ばれている。3選が禁止されているため、最高権力者として最後の1年は、内政でも外交でも影響力あるいは求心力を失う。
菅首相は訪米も自分が約束したことだから自分がやるというつもりだろうが、そこで何を決めるのだろうか。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)にしても、普天間移設問題にしても、辞める首相が言ったことが果たして守られるのかどうか、オバマ大統領も判断に迷うに違いない。
自民党の大島理森副総裁ではないが、いったん「辞める」と言ったらさっさと辞めるのが、指導者のあり方だと思う。自分の「宿命」に国民を巻き込むのは、政治家としてあるまじきこと。どこかでボタンを掛け違えた政治のとばっちりで損害を被るのは国民である。
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