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第49鉄 マルーン色の電車旅――阪急電車と能勢電鉄で行く妙見山杉山淳一の+R Style(1/6 ページ)

現在公開中の映画『阪急電車』も話題。阪急電車といえば、独特のカラーリングが特徴だ。今回は阪急電車、能勢電鉄、ケーブルカー、リフトを乗り継いで「能勢の妙見さん」へ、半日の旅へ出かけよう。

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 京都に出かける用事ができた。約束の時刻は14時30分。夜行バスで早朝に到着すれば、ちょっとした旅ができそうだ。京都市内見物よりも電車に乗りたい。そこで手頃な場所を探してみたら、能勢電鉄と妙見ケーブルに乗れそうだと分かった。阪急電鉄も映画『阪急電車』(参照リンク)の公開で話題になっている。マルーンカラーの電車で、半日の旅に出かけよう。

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今回のルート。ここをクリックすると筆者による各ポイントについての説明が読める

阪急京都線でスタート

 今回の京都行きは夜行バスを選んだ。本当は夜行列車で行きたいけれど、夜行快速『ムーンライトながら』は臨時列車になってしまい、今日は走らない。寝台急行銀河も3年前に廃止された。なんとも寂しい限りだ。

 仕方なく夜行バスを選んでみたところ、これが快適でびっくり。ちょっと高級タイプの座席を選んだら、座席はパーティションで仕切られた半個室。各座席にモニターが付いて、映画やゲームも楽しめる。もっとも、深く倒れるシートに身体を預けたら、楽しむ間もなく眠ってしまった。新宿発は22時30分、京都四条着は05時45分。降りたところは鴨川のほとり。京都らしい風景に感激し、ツアーバスを見直した。その一方「夜行の旅はバスの時代になってしまったな」という寂しさも……。

 まだ眠っている祇園の街を背に、徒歩数分で阪急電鉄の河原町駅に着く。地下駅のコンコースには映画『阪急電車』のポスターがあった。原作は『図書館戦争』の有川浩さん。ライトノベルで活躍される一方で『フリーター、家を買う』などヒューマンな作品も書かれている。実は私も小説『阪急電車』を買ったけど、映画化されると知って読まずにとっておいた。私は「観てから読む派」。そして今回は「乗ってから観る派」である。

 阪急電車の特徴は「阪急マルーン」と呼ばれる車体色。チョコレート色と例えられることも多いが、マルーンとはマロン、つまり栗の皮の色に由来するという。客室は木目調で座席はグリーン。そして日よけはカーテンやスクリーンではなく、鉄の鎧戸になっている。これを見ると、阪急に乗ってるな、と思う。たぶん沿線に住む人は、この内装に故郷を感じたりするんじゃないかな。


今回は早朝の京都から。午前6時の鴨川の眺め

映画『阪急電車』のポスターには豆知識がいっぱい
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